こんにちは。ミクシィリサーチ濱野です。
以前、リサーチの役割という記事を書きましたが、
マーケティングリサーチの役割をあらためて考えてみた。 - 習慣!!ミクシィ・リサーチ!!
今日は、半分プライベートでの経験も交えながら、
「リサーチが持つチカラ」について感じたことを書いてみようと思います。
2年と少し前ですが、わたしの父は亡くなる前に、2ヶ所の病院でお世話になり、
最終的にはいわゆるホスピスという緩和ケア病棟に入りました。
その時にお世話になった2つの病院の看護士さんたちの対応というのか、
ホスピタリティといういのか、サービスと言っていいのか、
我々家族としてはあまり満足いくものではなかったというお話です。
どこかで聞いた話ですが、
「病院」というところは、
患者に治療を施して回復してもらうところなので、
すでに治療することすらできない終末期患者本人や家族の
ニーズには合っていないということです。
確かに、その通りでした。
特にひどいことされてるわけではなく、
一般的な介助をしてもらってるのですが、
あきらかに本人の表情は穏やかではなく、
常に何かに不満があるような、そしてこわばってるような表情でした。
その後、最後にお世話になったのは、
緩和ケア病棟、いわゆるホスピスというところでした。
ここに入って、先生や看護師さんとコミュニケーションを始めると、
本人の表情が一気に穏やかになったのを忘れもしません。
わたしが思うのは、一般的な病院でもホスピスでも、
看護士さんは一生懸命に担当患者の為に働いてくれているのだと思います。
ただし、それぞれの施設によって大きく異なることがありました。
それは、看護士一人に対する担当患者数がまったく違っていました。
担当患者数が多い病院の看護士さんは、当然ですがいつも走り回って、
次から次に鳴るナースコールの対応に追われてます。
そうすると、対応自体も質よりも量をこなさないといけなくなり、
一人一人の患者への対応が病院側都合になってしまってもしかたないと思いました。
一方、ホスピスでは、
全ては患者本位の考え方で、
酒もタバコも欲しければやっていいというぐらいで、
どうすれば患者のやりたい事をかなえてあげられるかという発想でした。
何度も言いますが、病院でもホスピスでも看護士さんたちは一生懸命に患者やその家族のために働いてくれてます。
しかし、同じ看護士さんでも結局のところ、
「労働環境」がまったく違うということです。
厳しい労働環境の下では、質の高い、そして患者に寄り添った
医療の提供は難しいのではないでしょうか。
以下に、弊社でおこなった看護士・介護士などへの調査結果があります。
ほとんどの人は痛みをともなう腰痛をかかえ、
3人に1人はそれが原因で辞職しようとしたこともあるということです。
高齢化社会といわれてる中、医療現場で働く看護士さんたちの労働環境はあまりよくないのが実態です。
そこで先週の関西出張では、
医療や介護の現場で働く方々と、メーカー(企業)の意見交換会へ
お招き参加してきました。
メーカー側は、看護士や介護士が必要としてるであろうという仮説で商品企画や開発をしてるのですが、
その仮説と働く現場の実態にはギャップはないのか、
それを調べる意見交換会でした。
結果からいくとギャップは大きくありました。
やはり、企画や研究開発してるオフィスでいくら調べて話し合っても、
現場を見て聴いてみないとわからないということですね。
今後もこのようなリサーチを通じて、
より質の高い、そして患者やその家族が穏やかな気持ちになれるような
医療が提供できる環境作りに
ほんの少しかもしれませんが、役立てることが
「リサーチのチカラ」なんだとあらためて思いました。